耳鳴りの種類について
「耳鳴り」とは何の音もしていないはずなのに、なぜか耳元や頭の中で雑音が聞こえる状態を指します。
耳鳴りは、加齢によるものやストレス、病気など様々な原因がもとで起こります。
また耳鳴りには様々な種類があり、自分がどのような音・症状なのかを理解しておく必要があります。
耳鳴りの種類について
1)高音の耳鳴り
金属音や電子音のような擬音で表現されることが多く、耳を塞ぐと音が大きくなるのが特徴です。
・メニエール病
突然、ぐるぐる回るようなめまいが起こり、吐き気や嘔吐を伴う病気です。めまいが起きる前後には、左右どちらかの耳に耳鳴りや難聴、耳の詰まり感も伴います。
20~50代の女性に多く見られ、一回のめまいは数分~数時間で治まることが多いですが、何度も症状が現れるのが特徴です。
内耳の中にある液体量が過剰になることが原因だと考えられていますが、なぜ液体が過剰になるのかは判明していません。
・突発性難聴
ある日突然、片方の耳が聞こえなくなり、耳鳴りやめまいを引き起こします。
発症のメカニズムは不明ですが、ストレスが関係して発症すると考えられています。
治療が遅れてしまうと、元の聴力が戻りにくくなるため、どちらかの耳の聞こえが悪くなった場合は、至急、耳鼻咽喉科を受診する必要があります。
・聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)
神経を包む細胞にできる良性の脳腫瘍です。発症初期から片方の耳に難聴や耳鳴り、ふわふわとしためまいが現れ、時間経過と共に少しずつ大きくなるケースがあります。
サイズが小さく、進行が見られないものは経過観察をする場合もありますが、サイズが大きいものや進行性のものは治療が必要になります。
・音響外傷
大音量の音で蝸牛の有毛細胞が障害され、聴力が低下する難聴で、両耳の耳鳴りや耳の痛みを伴います。コンサート会場のような大音響だけでなく、ヘッドホン等を使って長時間大きな音を聞くことで発症する場合もあります。
軽症であれば一時的な症状で回復することもありますが、翌日以降も症状が続く場合や、耳の痛みを伴う場合には治療が必要になります。
2)重低音の耳鳴り
耳が詰まったような感覚を伴い、耳を塞ぐと音が小さくなるのが特徴です。
・メニエール病
回転性のめまいや難聴のほか、患者さんによっては低い音の耳鳴りが起きることがあります。
・中耳炎・耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)など
風邪などをきっかけに中耳や耳管など耳内の器官に異常が起こる「滲出性中耳炎」や「耳管狭窄症」を発症すると、低い音の耳鳴りが発症することがあります。
・肩・首の凝り、疲労・ストレス
肩や首の凝り、日頃の疲労・ストレスなどにより、低い音の耳鳴りが起こる場合があります。
3)不定期に聞こえる耳鳴り
・耳の周りの筋肉が起こす痙攣
耳の周りや耳小骨(じしょうこつ)の筋肉が痙攣することで耳鳴りが聞こえることがあります。
4)乾いた音の耳鳴り
・耳垢が特に溜まっている時
・耳の中に虫が入った場合
耳の奥にある耳垢や、虫が耳に入った場合などに、ガサガサといった耳鳴りが聞こえることがあります。
5)持続する拍動性の耳鳴り
・脳梗塞・脳出血の前兆の可能性あり
・脳腫瘍による血管の圧迫
脳と繋がっている血管に異常が起きている可能性があります。重大な疾患の可能性があるため、脳神経外科などで精密検査至急を受ける必要があります。